遺品整理のきほん

一人暮らしの死亡後の片付けは何をする?発見から火葬までの手続き・やることを徹底解説!

一人暮らしをしていた家族が死亡してしまったとき、その片付けで悩む遺族の方は多いでしょう。

このような点が特に気になるかと思います。この記事では上記のポイントに加え、故人の郵便物の片付け・手続きなどの内容も、合わせて解説します。

これらの内容を読んでいただくことで、一人暮らしでご家族が死亡されてしまった後のお片付けも、より負担なく、迷わずこなしていただけるようになるでしょう。

Contents

一人暮らしの死亡での片付けは何をやる?状況別の3種類

遺品整理

一人暮らしでの死亡後の片付けは、分類すると以下の3つに分かれます。

以下、それぞれの内容について詳しく解説していきます。

遺品整理…通常の片付け(すぐにはやらない)

故人が亡くなられてから、発見までに時間がかからなかった場合「普通の遺品整理」となります。これについては、相続放棄や遺産分割などの問題がなければ「普通に片付けてしまってかまわない」ものです。

ただ、第一発見時は警察に連絡する必要があります。それまでは、原則現場を触ってはなりません(触ったから有罪になるということはありませんが、軽く注意は受けます)。

特殊清掃…消臭工事・原状回復リフォームなど

特殊清掃

故人が孤独死をされてから時間が経っていた場合、特殊清掃が必要になることがあります。特殊清掃とは以下のようなものです。

  • 消毒・消臭
  • 血痕・体液などの除去
  • 簡易リフォーム

最後の「簡易リフォーム」が必要になるのは「死臭が壁や床に染み付いてしまったケース」です。

簡易リフォームの内容

これは壁・床で主に以下のような作業を行います。

壁紙の張り替え・壁材の交換
フローリングの張り替え・床板の交換・床材(柱)の交換

いずれも「どこまで必要になるか」はケースバイケースです。壁については、死亡から発見までの日数によって「どこまで臭いが染み込むか」が変わります。

床については、特に「遺体が溶けて体液化してしまった場合」に状況が変わります。一度液体化すると、浸透しやすいためです。

ごみやs

浸透すると、表面のフローリング材(シート)だけでなく、

  • 床板(木材)も交換する
  • その下の「床を支える柱」も交換する

ということにもなります。もっと酷い場合は、下のコンクリート基礎まで体液が染み込んでいて「そのコンクリートを削る」こともあります。

基本的に「体液が付着した部分はすべて撤去する必要があると考えてください。いつかは臭いも消滅しますが、死臭は生存に関わる臭いであるため非常に強烈で、ゼロになるまでに数年はかかるためです。

(誰もそこまで放置したことがないので、どこまでかかるかはわからないのですが。そのくらい「放置は許されない」のです)

ごみ屋敷清掃…部屋がゴミ屋敷・汚部屋だった場合に

ゴミ屋敷

これはレアなケースですが、故人がお部屋をゴミ屋敷・汚部屋にしてしまっていた、というケースもあるでしょう。この場合の片付けは、基本的にプロに依頼するべきです。

  • ゴミ屋敷の片付けには独特のノウハウがいる
  • 感染症などで健康を害するリスクもある
  • 賃貸住宅の場合、退去期限もある
  • 作業が遅いと、近所に異臭・虫害で迷惑がかかる

という理由です。

一人暮らしの人が死んだらどうする?~発見から火葬までの手続き・3つのステップ~

警察

一人暮らしの死亡後の手続きは、発見から火葬までの段階では、以下のようになります。これらの手続きは、片付けや他の作業などの、何よりも優先して行うものです。

  1. 「死亡診断書・死体検案書」を書いてもらう
  2. 「死亡届」を記入し、役所に提出する
  3. 役所から「死体埋火葬許可証」をもらう

以下、3つの手続きの内容について詳しく解説していきます。

①…「死亡診断書・死体検案書」を書いてもらう

これが最初に必要な書類です。病院で亡くなったら、病院で発行されます。孤独死された場合、警察によって「検案書」が作成されます。

病院ではこの作成費用がかかり、おおよそ10,000円前後です。

②…「死亡届」を記入し、役所に提出する

死亡届

死亡届は「自分で書く」ものです。役所のホームページにPDFやエクセルがアップされているため、それをダウンロードして記入します。下は札幌市のものです。

【参考】死亡届(札幌市)

提出期限は?

これは「死亡を知った日から7日以内」です。要は「1週間」と考えてください。

どこに提出する?

提出先は、下のいずれかです。

  • 死亡者の「死亡地」
  • 死亡者の「本籍地」
  • 届出人の「所在地」

つまり「故人の住所でも自分の住所でも、どちらでもいい」ということです。提出する機関は市役所・区役所・町村役場です。要は「その自治体の役所」です。↓

届書を作成し,死亡者の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場に届け出てください。
死亡届(法務省)

この提出の段階で、先に書いてもらった死亡診断書・死亡検案書のどちらかが必要になります。

③…「死体埋火葬許可証」を役所からもらう

死亡届を提出すると、役所から「死体埋火葬許可証」をもらえます。これがあれば、火葬も埋葬(お墓に入れる)もできます。逆に、なければできません。

単身者の死亡後の主な手続き・5選

手続き

発見から火葬・埋葬までの手続きが終わったら、その後にも「主要な手続き」があります。具体的には下記の5つです。

  1. 健康保険…14日以内に保険証を返却
  2. 介護保険…保険証を返却(健康保険と同じ)
  3. 国民&厚生年金…受給を停止をする
  4. 銀行口座…電話で凍結し、後日解約する
  5. 公共料金…電気・ガス・水道を解約

ここでは、それぞれの手続きについて詳しく解説していきます。

健康保険…14日以内に役所に保険証を返却

ご遺体関連の手続きが終わったら、保険の手続きに入ります。日本は「皆保険制度」なので、故人も必ず何らかの健康保険に入っています。

保険証を返却する

まず、この保険証を役所の窓口で返却します。期限は「死亡から14日以内」です。

返却先は「故人の住民票がある役所」です。「アパートなどで亡くなった」場合は、大抵その住所の役所でいいでしょう。

しかし、何らかの理由で「住民票の場所と違う場所に住んでいた」という場合は、住民票がある役所まで行って、返却することになります。

(一人暮らしではありませんが、このパターンで多いのは「よその自治体の老人ホームに住んでいた」というパターンです)

介護保険…保険証を返却(健康保険と同じ)

介護

故人が60歳以上であれば「介護保険」の保険証を持っています。これも健康保険と同じく、死亡から14日以内に役所に返却します。

返却先はやはり「住民票のある自治体」です。ただ、役所内の窓口は違います。そのため「別々の窓口で、2回手続きをする」ことになります。

国民&厚生年金…受給を停止をする

故人が年金の支給対象年齢であれば、年金をもらっています。その受給停止の手続きが必要です。

この手続きをしないと「亡くなったのにずっと年金が払われ続ける」ということになります。「親の死亡を隠して年金をもらい続ける」という不正受給のニュースは多く見られるので、知っている人も多いでしょう。たとえば下の産経新聞の記事などです。

父親は存命ならば88歳だが、数年前に死亡していたとみられ、不正受給額は数百万円にのぼる可能性があるという。
父の死届けず年金不正受給…自宅に白骨遺体、数百万円詐取か 容疑で57歳無職男逮捕

このようなことにならないよう、年金は「受給停止」の手続きをします。「死亡届」を提出していれば、遅かれ早かれ年金事務所に伝わるのですが、本来は「何も言われなくても自分で手続き」しなければいけません(皆そうしています)。

銀行口座…電話で凍結、後日解約する

口座

銀行口座については、

  1. まず凍結
  2. 次に解約

という流れで手続きをします。凍結は下の流れでできます。

  1. 故人が使っていた支店に連絡
  2. 支店が自治体に確認
  3. 死亡が確認できた時点で凍結

当然ながら、自治体から確認できるまでは凍結されません。「巧妙ないたずら」の可能性もあるためです。

凍結した後は、もろもろの手続きや遺品整理が落ち着き次第、解約をします。この手続きは、それぞれの銀行で案内してくれます。

ネットバンキングの場合

特に故人がオンラインバンキングを使っていた場合は「デジタル遺品整理」という作業になります。これについては、下の記事で詳しく解説しています。

デジタル遺品の処理方法は?「10のやるべきことリスト」を解説! 遺品整理の作業の中でも、近年特に難しいケースが増えているのが「デジタル遺品の処理」です。特に銀行口座やクレジットカードなどの情報は財...

ネットバンキングについて書いているのは、「故人が「ネットバンクを使っていたか」を把握する」という段落です。

公共料金…電気・ガス・水道を解約

電気・ガス・水道などの公共料金についても手続きが必要です。これらはいずれも、下の方法で手続きを行います。

  • 主に電話
  • 会社によってはネットでの手続きも可能
  • FAX・郵送での手続きも可能

一番簡単かつ確実なのは電話です。他の方法でも結局電話での確認をされることが多いので、最初から電話をかけるのが一番でしょう。

(もちろん、耳が聞こえない・発声できないなどの障害がある場合は別です)

一人暮らしでの死亡、発見時の対応・4つのステップ

警察

一人暮らしの方が死亡されているのを発見したら、以下の4つのステップで対応していきます。

  1. 警察に通報する
  2. 大家・管理会社に知らせる
  3. 親族・相続人に連絡する
  4. 遺品・遺産を確認してから片付ける

それぞれのステップについて詳しく説明します。

①…警察に連絡する(明らかに自然死でも)

故人が「明らかに死んでいる」という場合でも、まずは警察に連絡します。勝手に片付けてはいけません。

「明らかに自然死」でもダメなのか

これはダメです。理由は下のようになります。

  • 「自然死を装った殺人」の可能性もある
  • そもそも、他人からしたら「遺族のあなたが怪しい」かもしれない
  • 少なくとも、警察は最初、その可能性を考える

ということです。自分は当然「犯人ではない」ことを知っています。また、故人の健康状況などを知っていれば、「ああ、自然死だ」とわかることが多いでしょう。

しかし、赤の他人にはわからないのです。そして、警察は「疑うのが仕事」です。そのため「勝手に片付けてはいけない」&「必ず警察に連絡しなければならない」のです。

警察に連絡した後はどうなるか

これは主に「立ち会い」です。警察が現場検証をしている間、その場に立ち会っています。

そして、警察に何か質問をされたら答えます。普通は「事件性なし」と判断され、それで終わります。何かあったとしても、簡単な書類を書くなどです。

②…大家・管理会社に知らせる

電話

警察に連絡したあと、以下のような「不動産関係者」に知らせます。

  • 大家(賃貸人・貸主)
  • 管理会社(持家・分譲マンションの場合など)

賃貸であれば、当然大家さんには伝えなければいけません。また、大家さんが法人(不動産会社)であれば、その会社に伝えます。

持ち家なら管理会社に伝える

一人暮らしといても、賃貸ではなく「持家」の場合もあるでしょう。その場合は、そのマンションの管理会社に伝えます。

その後の対応がどうなるかはケースバイケースです。遺体の発見が遅れて腐敗が進んでいた場合などは、原状回復などの話になります。

③…親族・相続人に連絡する

次に、親族など「相続に関わる人々」に連絡します。家族など直接の関係者は言うまでもなくすぐに連絡するでしょうが、相続に関わる人々にも早めの連絡が必要なのです。

相続関係者が揃うまで、遺品は手をつけずにそのままに

「明らかに問題ない」という場合は別ですが、相続に関するトラブルが起きそうな親族であれば、

  • 遺品に手をつけずにそのままにする
  • 全員が揃ってから、遺品整理について話し合う

という手順が必要になります。理由は以下のとおりです。

  • 故人に借金があるかもしれない
  • その場合は「相続放棄」が必要
  • しかし、片付けをしてしまうと相続放棄ができなくなる

片付けをすると「その遺品を相続した」と見られてしまいます。そのため、その時点で「相続放棄」という選択肢がなくなってしまうのです。

借金だけでなく、故人が滞納していた税金など、あらゆる支払い義務を引き継ぐことになってしまいます。

④…遺品・遺産を確認してから片付ける

親族

上のような相続放棄のする・しないに加え「遺産の分割」なども確認したら、いよいよ片付けに入ります。親族の日頃の人間関係によっては、これらの話し合いは「不要」か「一瞬で終わる」でしょう。

しかし、特に財産の大きな家庭などは、そうは行かないケースもあるはずです。そのようなときは「すべて確認してから片付けに入る」ことを強く意識してください。

このルールを守らない遺族・親族は多い

実は、ここに書いたようなルールは「守られない」こともしばしばあります。

  • 「親のものは俺のもの」と思っている子供が多い
  • だから、正しい手続きを踏まずに「早いもの勝ち」で持っていく

というケースも確かにあります。そして、そうした家族は、その後でさらに兄弟姉妹の関係が悪くなるものです。

「そのようになってもいい」なら、ルールを守る必要はありません。しかし、普通はそうではないでしょう。そのため、ここで書いたような「親しき仲にも礼儀あり」の精神で、遺品整理に臨む必要があります。

郵便物を片付けた後の手続きは?3つのポイントを解説

郵便物

一人暮らしの方の死亡後に片付けをしていれば、当然郵便物も片付けることになります。そして「この後、届かないようにしたい」と思うでしょう。したいというだけでなく、そうしなければ困ることも多いはずです。

そのため、そうした「片付けの仕上げ」として、ここでは「一人暮らしの死亡後の郵便物のルール」について解説します。内容は下の3点です。

これらの内容を理解していただくと、郵便関連の手続きもスムーズに進められるでしょう。

転送の手続きはできない

「故人に連絡をくれた人に返事をできるようにしたい」と考える遺族の方もいるでしょう。その場合「転送の設定をしたい」と思うかもしれません。

しかし、転送の設定はできません。これは郵便局の公式サイトで下のように書かれています。

ご家族の方から転送のお申出があっても、亡くなられたご本人さまの郵便物等を転送することはできません。
受取人ご本人さまが亡くなられた場合、ご本人さまあての郵便物等は差出人さまへ返還されます。
死亡した受取人あての郵便物等を家族に転送してもらえますか?(郵便局)

なお「郵便局への死亡届は必要なのか」という点が気になる人も多いでしょう。この点を解説します。

郵便局への死亡届(連絡)は必要ない

郵便局

郵便局への連絡は任意です。してもいいし、しなくてもいいということです。これは下の京都新聞社の説明でわかります。

各地の郵便局では、配達先の居住状況を必要に応じて確認しているが、居住者が亡くなった後もその事実が確認できない限り、自宅に郵便物を届け続けることはあるという。
「故人宛て郵便物なぜ転送できない?」 郵便局の対応に遺族困惑

引用のとおり、郵便局が「それぞれの方法」で確認しています。そして、その方法で確認できず、ずっと故人の郵便物を届け続けるケースもあるわけです。

そうならないようにするためには、やはり遺族が郵便局に連絡し、死亡届のコピーの提出などをする必要があります(求められる手続きや書類は、郵便局によって異なります)。

このように「故人のポストが郵便物でいっぱいにならないようにする」ことも、一人暮らしの死亡後の片付けといえるでしょう。

ヤマト・佐川などの運送会社は個別に連絡が必要

運送

「郵便物」の中には、クロネコヤマトや佐川急便などの配送会社が送るものもあります。たとえばヤマトの「メール便」などです。

これらは、郵便局の管轄外です。そのため、

  • 郵便局に死亡の連絡をしても、まだ届く
  • だから、ヤマト・佐川に個別に連絡する

ということが必要になります。もちろん、送ってくる通販会社など「発送元に直接連絡する」方法もあります。これは故人が生きているときに、自ら行う手続きと同じです。

(しかし、一括で停止するためにも運送会社に直接連絡する方がいいでしょう。※届くDM・カタログなどが多い場合)

単身者の死亡後の片付けは、業者への依頼も検討しよう

単身者の方が亡くなった後の片付けは、特殊清掃などが必要になることも多く、通常の死亡後の整理よりも負担が大きいもの。このため、遺品整理業者などのプロに依頼するのがベストといえます。

遺品整理業者の選び方については、当サイトの別記事でも詳しく解説しているため、こちらの内容を参考にしながら選んでいただくのがいいでしょう。

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まとめ

荷物

一人暮らしの死亡での片付けは、まとめると相続放棄の可能性がある場合は、一切遺品に触ってはいけないということになるでしょう。それ以外は、発見から火葬までの手続きなども、警察や役所、葬儀社の方などがアドバイスをしてくれるため、それほど難しくはありません。

相続放棄すべき場面でできなくなると致命的であるため(借金などを背負ってしまうため)、この点だけくれぐれも注意してください。