遺品整理のきほん

デジタル遺品の処理方法は?「10のやるべきことリスト」を解説!

遺品整理の作業の中でも、近年特に難しいケースが増えているのが「デジタル遺品の処理」です。特に銀行口座やクレジットカードなどの情報は財産にも絡む問題であり、悩んでいる遺族の方も多いでしょう。

この記事では、そのような方々の悩みを解消できるよう、下の点をまとめていきます。

上記の内容を読んでいただくことで、それぞれのケースに適したデジタル遺品の処理方法を理解していただけます。デジタル遺品整理で悩んでいる方に、参考にしていただけたら幸いです。

Contents

デジタル遺品とは?

パソコン

デジタル遺品とは、故人が残したデジタルデータやデジタル機器のことです。データ類だけを指す場合もありますが、そもそも「データが機器に保存されている」ことも多くあります。そのため、パソコンなどの「機器」も、デジタル遺品に含まれることが多くなります。

ここでは「ソフト系・ハード系」の両方で、デジタル遺品の具体例を紹介していきます。

ソフト系(データ)のデジタル遺品・一覧

データやWEBの登録情報の類では、以下のものが主な「デジタル遺品」となります。金銭的な影響が大きく、重要なものから順番に並べています。

ジャンル 具体例
ネット銀行(オンラインバンキング) 口座のID・パス・利用明細など
クレジットカード情報 ネットショップや各種定期契約に登録したもの
ネットショッピングの利用履歴 Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど
SNSアカウント Twitter・Facebook・Instagramなど(ブログも含む)
知人・友人の連絡先 スマホ・携帯電話・PCメールのアドレス帳など
日記・予定表 Googleカレンダーなどのデータ
その他のID・パスワード WEB上のサービスのログイン情報全般
電子データ・ファイル 写真・イラスト・動画など

基本的に「これらを全部把握して処理するのは難しい」ので、財産に関わる口座・カードなどを重点的に処理するようにしてください。

ハード系(機器)のデジタル遺品・一覧

ハード系のデジタル遺品は、以下のようなものがあります。

  • PC(デスクトップ・ノート)
  • スマートフォン(iPhone)
  • タブレット(iPad)
  • デジタルカメラ・ビデオカメラ
  • USBメモリ・SDカード・CD-ROMなど

スマホ・タブレットについては、高齢者の方だと「iPhone・iPad」と呼んでいるケースもあるため、あえて併記しています。記録媒体については、他にDVD-ROMやフロッピーディスクなどもあります。

デジタル遺品の処理方法は?10のやるべきことリスト

業者

デジタル遺品の処理方法は、ハード系については簡単です。難しいのはデータ系であるため、その処理方法を解説します。

優先順位が高い順に「やるべきことリスト」を書くと、下のようになります。

  1. 全てのデジタル遺品を把握する
  2. ネットバンクを把握する
  3. クレジットカードを把握する
  4. ネットショップの利用履歴を見る
  5. メルアドにログインし必要な措置をとる
  6. SNSのアカウントを調べ必要な対処をする
  7. 友人・知人の連絡先を全て記録する
  8. 日記・予定表をチェックする
  9. その他サービスのID・パスを調べる
  10. 故人の写真・イラスト・動画などを保存する

これらは、すべての故人について、共通して必要とは限りません。当然ながら「SNSをやっていなかった故人」については、SNSの作業は不要です。「カードを使わなかった故人」も同じです。

そのため、上記の中なら「自分たちのケースで必要な作業」をピックアップし、順番に執り行うようにしてください。

①…全てのデジタル遺品を把握する

まず、故人が「どのようなデジタル遺品を持たれていたか」を把握します。プライベートなことなので、すべてを把握するのは難しいかもしれません。

しかし、可能な限り把握します。デジタルデータはあるサービスのログイン情報が、別の場所で分かる(メールなどでわかる)ということが多いものです。

つまり、全体像を見れば「ここに必要な情報がありそう」と、判断しやすいのです。そのためにも、まずは全体像を把握します。

②…故人が「ネットバンクを使っていたか」を把握する

キャッシュカード

故人が使っていた「銀行口座」は、比較的把握しやすいものです。通帳やキャッシュカードが、大抵わかりやすい場所にしまわれているためです。これにより、

  • 使っていた「銀行・支店」を把握する
  • そこに電話をする
  • 「ネットバンキング使っていたか」を確認する

という流れで把握します。もちろん、口座の凍結も同時に行います。基本的に、凍結をするだけでも「○○様は当行のネットバンキングもご利用いただいておりましたが…」と、銀行のスタッフさんが教えてくれます。

これにより、使っていたネットバンキングがわかったら、一応ログインをしておきます。

なぜログインをするのか

実は、口座自体は凍結後に解約するので、ログインしてどうこう、ということは必要ありません。「解約と同時に、ネットバンキングのIDも消される」からです。

では、なぜログインをするのか。これは「亡くなる前に不正利用をされていなかったかを確認する」ためです。

  • 故人の晩年は、判断能力が下がっていたかもしれない
  • そこに付け込まれ、不正利用をされていたかもしれない

ということです。こうした不正利用の履歴は口座を解約したら情報が消えるためわからなくなってしまうものです。そのため、凍結や解約の前に「確認しておく」のです。

③…故人のクレジットカードを把握する

口座と同じく「故人がどんなクレジットカードを使っていたか」も把握する必要があります。これも銀行口座と同じで、

  • 把握したら、カード会社に電話する
  • それで解約する

というのが基本の流れになります。「デジタル」な部分は、銀行口座と同じく「利用履歴を、データで見られるうちに見ておく」ことが重要となります。

不正利用の履歴がないかを探ることはもちろん、故人の過去の買い物の中に「他の遺品整理につながるデータ」が存在する可能性があるためです。

利用残高があったときが厄介

クレジットカードについては利用残高(借入)が残っていたときが厄介です。翌月一回払いだったとしても、銀行口座を凍結するのであれば、その引き落としができません。

そのため、その1カ月分については、遺族の方が直接支払う必要があります。また、故人がいわゆる「借金」をしていた場合は、相続放棄をしない限り、その利用残高についても遺族の方が返済する義務があります。

④…ネットショップの利用履歴を見る

ネット通販

これを見る必要があるのは、主に「定期購入」の対策です。

  • 定期購入があると、亡くなった後も引き落としされてしまう
  • 引き落とし先がカードでも銀行でも、何らかの小さなトラブルになる

もちろん、その通販会社などから連絡がきて「故人が亡くなった」ということがわかれば、通常は無償でのキャンセルなどにも応じてくれるでしょう。ただ、

  • お互いに手間がかかる
  • 会社側に金銭的な負担をかけてしまう

という難点があります。また、稀にキャンセルに応じてくれない会社も存在します。

ということを考えると、ネットショップの中では特に「定期購入」についてチェックする必要があるわけです。

アカウントを削除するかは、状況次第

続いて、ネットショップのアカウントを削除するかですが、これは状況によります。

  • 退会するとデータが消えてしまう
  • クーポンやポイントも消滅してしまう
  • それらを残したい場合は残す

という判断をします。保存すべきデータもなく、ポイントなども貯まっていないようであれば、削除してしまう方がいいでしょう(不正利用のリスクがなくなるためです)。

⑤…メルアドにログインし必要な措置をとる

メルアド

メールアドレスは、携帯でもパソコンでも、現代では多くの方が持っているものです。このアドレスについても、パスワードなどを調べてログインします。ログインしてやるべきことは、

  • 保存すべきデータがあるか探す
  • あれば、そのデータをダウンロードするなどして移す
  • 返信が必要なメールがあれば返信しておく

まず、これらが最初にやることです。そして、アドレスを削除するかどうかは、状況で判断します。

  • 保存すべきデータがあまりに多い(すぐには終わらない)
  • まだ重要なメールが来るかもしれない

という場合には、残しておく方がいいでしょう。この場合、届いたメールに返信するため、定期的に受信箱をチェックする必要があります。

特にパソコンのメールの場合は、遺族の方のアドレスに自動転送されるようにしておくと、チェックの手間も省けていいでしょう。

⑥…SNSのアカウントを調べ必要な対処をする

SNS

故人がそのようなSNSを使っていたかも調べます。SNSは「家族などに内緒で運用する」ことも多いため、すべて把握するのに手間取ることもあるかもしれません。

メールアドレスを開くことが先

想像はつくと思いますが、SNSのアカウントを調べるために必要なのは「メルアドを開く」ことです。ほぼ全てのSNSが「メールアドレスによってアカウント登録を行う」仕組みのためです。

もちろん「メルアドが複数ある」可能性もあります。しかし、その場合も「アドレスを作るために、どれかのアドレスを使う」ということを繰り返しているはずです。つまり「芋づる式」に発見できるのです。

SNSアカウントを把握できたらどうするか

ここでどうすべきかは、状況によります。主な選択肢は下のとおりです。

  • 「残すべきアカウント」であれば、挨拶だけをアップして残す
  • 「削除すべき」であれば削除する

残すべきアカウントというのは、そこに集まった書き込みや、故人の書き込みに「価値がある」もしくは「あるかもしれない」と判断される場合です。その場合、何がどのように役立つかわからないため、残しておくのがいいでしょう。

逆に「そのようなコンテンツがない」場合は、削除する方が良いといえます。放置している間に乗っ取りなどのトラブルに遭うリスクがあるためです。

⑦…友人・知人の連絡先を全て記録する

スマホ

以下のような場所に、それぞれ「友人・知人の連絡先」が書かれているはずです。

  • パソコンメールのアドレス帳
  • 携帯メールのアドレス帳

その他の場所でも、たとえばチャットワークの「コンタクト一覧」など、ソフトやアプリによってさまざまな「アドレス帳」があります。何にしても、見つかった連絡先は、可能な限りすべて記録・保存しておきましょう。

なぜ保存が必要なのか

これは「どこで必要になるかわからない」ためです。おそらく、9割方は不要になるでしょう。しかし、残り1割程度の連絡先は「何らかの理由で必要になる」可能性があります。

遺族の方が、その連絡先の人を「すべて知っている」ということは、まずないでしょう。ほとんどは「知らない人」のはずです。

となれば「必要になるかどうかもわからない」わけです。そのような理由から「念のために残しておく」のが最善といえます。

⑧…日記・予定表をチェックする

これは、状況によっては「優先して行うべき」ものです。というのは「故人が誰かとの約束をしている」「その人に迷惑がかかってしまう」という可能性があるためです。

  • 紙の手帳やカレンダーに書いていた
  • そもそも予定を記録する習慣がなかった

というケースもあるでしょう。その場合はチェックする必要はありません(あるいはできません)。しかし、Googleカレンダーなどで予定を管理していた場合は、先にこれを把握し、関係者に連絡すべきというケースもあります。

(このあたりは故人がどのような生活や、スケジュール管理をされていたかによって大きく変わるものです)

「亡くなったことの連絡」は、あらゆる方法で早めに行う

最終的には、こうした予定表の類も完全に把握はできません。そのため、迷惑がかからないよう「亡くなったことを早く、広く伝える」ことが必要になります。

  • メールで一斉送信する
  • SNSのアカウントに書き込む
  • 電話番号の発信履歴などを元にかける

という風に、関係がありそうな人にはどんどん連絡すべきです(仕事をしていたフリーランスの方などが、突然亡くなられてしまった場合)。

⑨…その他のサービスのID・パスを調べる

ノートパソコン

基本的に、銀行口座・クレジットカードが止まれば「何かが勝手に引き落とされる」ということはありません。主要なネットショップの定期購入なども止めておけば、一般的には「それで安心」といえるでしょう。

ただ、故人の生活によっては「止めておくべきサービス」があるかもしれません。これが何かは故人の生活によります。高額な会員制サービスなどは、それに該当する可能性が高いでしょう。

故人の晩年を知らなければ対処は難しいが…

ここまで書いてきたSNSなどでも十分に難しいのですが、ここまで「マイナーなもの」になると、正直「故人の晩年を知らなければ対処できない」ケースが多くあります。

  • あきらめて放置する
  • 何か問題が起きたら、都度対処する

というやり方が、労力とのバランスを考えると、おそらくベストでしょう。実際、銀行口座やクレジットカード・保険などの情報と違い「そうそう問題が起きるものではない」といえます。

一応「思い当たるサービスがあれば、ログインして解約などの措置を取っておく」と考えてください。

電子マネー・仮想通貨は要注意

現時点で亡くなる年代の方だと例外的ですが、電子マネー・仮想通貨は要注意です。というのは、銀行口座・クレジットカードをとめても「電子マネーと仮想通貨は動いている」ためです。

  • 口座やカードから引き落とされることはない
  • 「それぞれのマネー・通貨の残高」から引き落とされる

ということですね。仮想通貨はめったにないケースですが、「電子マネー」や「サイトで使えるポイント」だったら、可能性はそれなりにあります。

そのようなものが引き落としされて損をしないよう、心当たりがあればログインを試みて、調べるようにしましょう(空振りに終わる可能性もあるため、あくまで大きな残高の心当たりがあればですが)。

⑩…故人の写真・イラスト・動画などのデータを保存する

これは任意ですが、故人が趣味で写真・イラスト・動画などを制作してストックされていたら、それを保存しておきましょう。特に写真は、かなり時間が経過したあと「昔の写真素材」として、価値を持つ可能性があります。動画も同じです。

ただ、これについては銀行口座などのように「直接社会と関わるもの」ではありません。そのため、優先順位はさほど高くはないものです。あくまで「余裕があれば」「必要があれば」と考えてください。

なお、保存は大容量のSDカードやUSBメモリ、外付けハードディスクなどにするのがいいでしょう。WEB上で大量のデータを保存できるクラウドサービスもあります。

デジタル遺品の処理方法・端末別の4つのやり方

パソコン

ここまでは、主にデータやアカウントなどの「ソフト面」のデジタル遺品処理について説明しました。ここからは、PC機器などの「ハード系」について説明します。内容は下の4つに分かれます。

以下、それぞれの端末ごとのデジタル遺品処理の方法を解説していきます。

パソコン…パーツから直接データを抽出する

パソコンは、最初の画面にパスワードがあります。これがわかれば中に入り、あらゆる作業をできるでしょう。

そして、そのパスワードがわからなくても業者に依頼すれば「データ抽出」をしてもらえます。データを記録するHDDやSSDなどの部品から、直接データを取り込むのです。

パソコン知識があれば自分でもできる

おすすめはできませんが、この方法は知識がある人なら自力でもできます。

  • パソコンの箱を開く
  • HDDなどを取り外す
  • そのHDDの、ケーブルをつなぐ部分を探す
  • その部分と別のPCをケーブルでつなぐ

というやり方です。誰でも「外付けHDD」や「USBメモリ」は知っているでしょう。あれは「普通のパソコンに、普通に接続」するわけです。

同じように「分解して取り出したHDD・SSD」も「普通のパソコンに普通に接続」できるのです。衝撃かもしれませんが、こういう「物理的な方法」を使えば、実はデータハッキングは簡単なのです。

(つまり「パソコンそのもの」が盗まれることが、ハッキングでは一番怖いとも言えるわけですね)

何はともあれ、このように「パソコンは意外と簡単にデータを取り込める」ものです。PCの専門業者や、デジタル遺品処理に対応している遺品整理業者などに依頼すれば、対応してもらえます。

スマホ・タブレット…ロック解除の費用は平均23万円

ロック

スマートフォンやタブレットについては「早めに諦める」ことが必要なケースもあります。これは説明を放棄しているわけではなく、本当にそれくらい難しいのです。

AERA dot.(朝日新聞社運営)で、とある遺品整理会社の社長が、下のように説明されています。

前出の近藤社長は「パソコンならば、IDやパスワードがわからなくても確認できるが、最近のスマホはセキュリティーが強固で開くことはほぼ不可能。(故人の)スマホを見たいとの依頼は多いが、ほとんど断っている」と打ち明ける。
スマホはプロもお手上げ…負債を抱えない「デジタル遺品」整理(AERA dot.)

記事のタイトルも「スマホはプロもお手上げ」とあり、社長のコメントでも「ほとんど断っている」とあります。ビジネスチャンスであるにもかかわらず断っているわけですから「本当に難しい」ということが実感できるでしょう。

ロック解除をプロに依頼する場合、平均約23万円

上のように「諦めるべき」と書いた理由は、金額にもあります。ロック解除に対応している業者も存在しますが、その平均費用が約23万円なのです。

費用は成功報酬型で平均約23万円。決して安くはありませんし、必ず開けられるという保証もありません。実際、スマホの型番やOSのバージョンによっては糸口が見つからずに断念するケースも少なくないそうです。
故人のスマホの「ロック解除」 費用は成功報酬型で平均約23万円(ライブドアニュース)

一番重要なのは太字部分で「開けられる保証はない」のです。

  • スマホを開くためだけに23万円を払う
  • それでも開けられるとは限らない

ということです。「そんな馬鹿な」と思うかもしれませんが、スマホのデジタル遺品整理は、それだけ厄介なのです。

冒頭で「早めに諦めた方がいい場合もある」と書いたのは、このような理由からです。

USBメモリ・SDカード…最初は同性の遺族が開く

USBメモリやSDカードには、パスワードがかかっていないことがほとんどです。そのため、中身を見ることは簡単といえます。

ただ、特に故人が男性の場合「成人向けの画像や動画などのコンテンツ」が出てくる可能性もゼロではありません。このようなものは、たとえ家族であっても異性が見ると、それなりに抵抗を感じるものでしょう。

そのため、こうしたデータ保存の媒体については「同性の遺族」それも「特に仲の良かった遺族が見る」ようにしてください。もちろん、中身がすでに予想できていたり、異性の遺族の方でも平気であれば、まったく問題ありません。

デジタルカメラ…内蔵メモリからデータを取り出すだけ

デジカメ(ビデオカメラ含む)も、一応「デジタル遺品」に入ります。しかし、これは他のアイテムほど複雑ではありません。

  • 記録されるデータが限られている
  • パスワードなども強固ではない

という理由です。そもそも「デジカメ内部にはデータを保存したい」という方も多いでしょう。そのため、故人がデジカメを使用されていても、必ずしも「デジカメの遺品整理」が必要になるとは限りません。あくまで「データを内蔵していたら、それを保存する作業が必要になる」というだけです。

デジタル遺品整理はどんな業者に依頼すべき?選び方の3つのポイント

業者

デジタル遺品整理を業者に依頼するときは、どのような会社を選ぶべきか―。ここでは業者の種類別に、選び方のポイントを3つ解説します。

以下、それぞれの選び方の説明です。

遺品整理業者…デジタル遺品処理に強い会社を選ぶ

まず筆頭に挙げられるのは「遺品整理業者」です。もちろん、ただの遺品整理業者ではなく「デジタル遺品処理に強い業者」を選ぶ必要があります。

遺品整理業者に依頼するメリット

これは主に以下のような点です。

  • 通常の遺品整理と同時に頼める
  • 「遺品ならでは」のデジタル処理をよくわかっている

1つ目については説明不要でしょう。そもそもデジタル遺品が発生したということは「普通の遺品整理」も必要なケースが多いものです。そのようなケースでは、デジタル系に強い遺品整理業者を選ぶのがいいでしょう。

「遺品ならでは」のデジタル処理とは?

これは前半で説明したような「何をやるべきか、調べるべきかをわかっている」ということです。

  • 銀行口座・クレジットカード・保険・投資などの情報
  • SNSアカウント・ネットショップなどの情報

といったものについて「何を、どのような手順で調べればいいか」を把握しているということです。パソコンの専門業者の場合、PCの技術はあっても「遺品整理で何をやればいいか」はわからないわけです。

この点で、デジタル分野に強い遺品整理業者に依頼するメリットがあると言えます。

PC専門業者…高度なロック・パスワード解除に強い業者を選ぶ

パソコン

普通のデジタル遺品処理であれば、上に書いたように「デジタルに強い遺品整理業者」に依頼するのがベストです。しかし、こうした遺品整理の業者では「できない作業」もあります。

それが、先に紹介した「スマホのロック解除」などの「高度な解除作業」です。これは「23万円」という高額な報酬を、専門の業者に払っても「なおできないことがある」という、極めて難しい作業です(筆者は正直、普通のケースではあきらめるべきだと思っています)。

このような作業を「どうしても依頼したい、する必要がある」という場合には、PCやスマホの技術に特化した専門業者に依頼することになります。

本当に高度な内容は「警察に協力する業者」に依頼

めったにないことですが、故人が大きな資産を持つ資産家・投資家・経営者などの方だった場合「どうしても解除しなければならない」というケースもあるでしょう。この場合「警察に協力するトップレベルの業者」に依頼する手もあります。

こうした業者は、警察が押収したパソコンやスマホなどのデータを「解読」する仕事をしています。さすがに「水を掛け、焼却し、叩き壊した」というようなものは復旧できませんが、単純に「叩き壊した」というだけなら、彼らは復旧できることがあります。

極めて例外的なケースですが、本当に必要なときはこのように「特別な業者」に依頼する選択肢もあります。

買取業者…データ消去済みのPC・スマホなどの査定に

買取

すでにデータ消去が済んでいれば、パソコンやスマホの査定は「買取業者」に依頼します。普通の中古パソコンショップや質屋などです。

ここで重要なことは、遺品整理業者では、PC系の古物商許可がない限り買い取れないということです。これはPCの業者・質屋なども同じですが、彼らは大抵免許を持っています。

遺品整理業者については「免許を持っていないのに買い取る」例が多く報告されているため、そのような業者にPCなどを売らないようにしてください。

パソコンは「機械工具類」で、都道府県別の古物商許可が必要

パソコンなどの機器を買い取る場合、古物商許可中でも、

  • 「機械工具類」で、
  • 「事業所がある都道府県の」許可

をとる必要があります。たとえばNECの場合、提携する株式会社ソフマップが、下のような免許を持っていることを、公式サイトで明記しています。

(古物商許可証)株式会社ソフマップ
東京都公安委員会 許可第301031206576号 機械工具類
大阪府公安委員会 許可第621120122162号 機械工具類
NEC Direct「PC買い替えサービス」提携事業者

こうした情報の明記がない遺品整理業者がパソコン・スマホなどを買い取ることは違法です。そのような業者は、デジタルデータについても「個人情報を売買する、漏洩させる」などの行為をはたらくなどの恐れがあるため、依頼自体を避けるようにしてください。

なぜ免許がなければ買い取りできないのか

これは「盗品の売買を防ぐ」ためです。免許のない業者が買取できると、窃盗グループなどと業者がグルになって、盗品の行方をわからなくすることができるわけです。

もちろん、古物商許可をとった業者が、やはりグルになって「盗品を買い取って転売する」こともできます。しかし、

  • なぜか、盗品がいつもそこに持ち込まれている
  • となれば、その買取業者は怪しい
  • 免許を剥奪すれば、転売ルートがなくなる

という風に、警察側で「窃盗犯の転売ルートを潰しやすい」のです。そのために免許制があります。つまり、国の治安を守るために必要なことであり、このルールを遵守している業者でなければ、買取を依頼してはなりません。

まとめ

まとめ

特に「データ・アカウント系」の処理方法を見ていただくとわかるでしょうが、実はデジタル遺品処理は完璧にはできないものです。

  • どこかに漏れがある
  • 漏れのあるまま放置する部分は出てくる
  • しかし、銀行口座・保険・カードなどは漏れてはならない
  • このような部分を特に重点的に処理する

このような考え方が重要になります。「完璧にやろうとすると無理なので、本当に必要な作業に集中する」ということです。

そのような前提に立った上で、その「本当に必要な作業」を遂行するのに必要な業者に、依頼するようにしてください。文中でも書いたとおり、通常の遺品整理と同時に頼むのであれば、やはり遺品整理の業者(でデジタルに強い会社)に任せるのがいいでしょう。